ディスコース心理学研究部会は,2/23(土)に第26回定例研究会を開催致します。
詳細は以下をご覧ください。

どなたでもご参加できます。多くの皆様にご参加頂けますと幸甚です。
宜しくお願い致します。

<次回:第26回定例研究会>
日時 2019/2/23(土)13:30~17:00(予定)
場所 法政大学 市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー11階 BT1100教室
参加 配布資料の部数把握のため,2/20(水)までに以下の事務局までご連絡頂けますと
   大変助かります。
事務局:淑徳大学 短期大学部 常深浩平(koh.tsunemi[at]gmail.com([at] を@に置き換えてください))
プログラム
 1)研究発表(口頭発表,質疑含め一人45分,敬称略)
  ・布山美慕(北陸先端科学技術大学院大学 研究員),日髙昇平(同 准教授)
  ・蘒原 遥(法政大学大学院人文科学研究科 大学院生)
 2)記念公演(質疑含め1時間30分)
  ・Lauwereyns Johan先生(九州大学・共創学部 教授)
 3)懇親会(自由参加)
参加費:研究会は無料 懇親会は実費あるいは会費制

今回は研究部会設立10周年の節目に当たり,記念講演として九州大学・共創学部教授のLauwereyns Johan先生をお迎え致します。認知神経科学,心理学を中心に,脳科学,生物学なども含めて意識の問題,意思決定の問題をご専門としておられます。
以下にご講演のタイトルとアブストラクトを挙げます。

記念公演:
Lauwereyns Johan先生(九州大学・共創学部 教授)

Title: Perspectives from cognitive science on bioethics

Abstract:
Bioethics has emerged as a form of practical moral philosophy, taking a keen interest in science and developing an important critique of vanguard medical and bioengineering enterprises. In doing so, however, the critique itself has tended to bypass relevant perspectives from cognitive science, particularly regarding the mechanisms of decision-making. Here, I propose that cognitive science can offer a crucial contribution toward a more empirically sound bioethics by highlighting — and investigating — the vulnerabilities of human decision-making with respect to framing, meta-decision making, the allocation of attention, and the pitfalls of empathy.

また,研究発表を2件予定しております。
以下にタイトルとアブストラクトを挙げます。

研究発表 2件(敬称略,お申込順)※発表順は当日決めさせて頂きます

・布山美慕(北陸先端科学技術大学院大学 研究員),日髙昇平(同 准教授)

タイトル:物語の階層的理解過程解明に向けて:意味的段落分けと元童話当ての関係

要旨:
読者は文章理解に際し,単語や文といった局所的な意味の推定と文章全体の意図推定を相互依存的に行うと考えられる.この文章理解の階層的相互依存構造は解釈学的循環と呼ばれる.本研究は,読者の解釈学的循環過程の認知処理の解明を目的とし,2つの課題からなる実験を行なった.1つめの課題では,局所的な意味の推定に対応する意味的段落分け課題であり,被験者に次の文が読めないよう文章の各文を提示し,各文がその段落の最後の文だと思う度合の回答を得る.この課題は,非明示的な最小の意味的単位を読者が解釈する過程を反映する.2つめの課題は,物語全体の意図推定に対応する元童話当て課題で,被験者は有名な童話10作品(被験者には10作品のリストと概要を提示)のうちどれか1作品もしくは2作品を元に実験者が創作した新規な物語を読み,3文ごとに元となっていると思う童話を回答する.実験素材とした新規な物語は.元童話と物語構造を相同に保ち,登場人物や状況などを類推的関係を保存する範囲で変更して構築した.2つの課題の結果を合わせることで,被験者の局所情報の推定と大局情報の推定の相互依存的な関係を調べる.現在までに両課題の予備実験を行っており,発表時までに実験を進め,その結果を発表する.

・蘒原 遥(法政大学大学院人文科学研究科 大学院生)

タイトル:指示の構造や文章の表現は文章での指示理解にどのように影響するか
     -条件分岐の表現に着目して-

要旨:
本研究では,作業の遂行を読みの目的とする手続き的説明文,すなわち指示を表す説明文の理解に関して検討を行った。読み手の理解に影響する要因の一つである指示の構造は,順次構造と反復構造,選択構造の3種類に分けられる(若山・吉川,1987)。これらの構造が指示の理解に与える影響を,指示理解課題を用いて検討した。その結果,分岐に複数の処理を伴う選択構造の理解が最も困難であることが示された。そのため,選択構造に着目し,理解を促進する文章表現に関する検討を行った。指示を表す説明文の読解や遂行には,推論などの高次な認知処理が必要であると考えられる。よって,読み手の推論の負荷を軽減するような表現を施す,すなわち不要な行動を明示することで,理解が促進されるかどうかを実験2で検討した。その結果,不要な行動を明示する条件の方が,指示を正確に遂行できることが示された。加えて,分岐の後に単一の処理を伴う構造の指示に関しても,同様に文章の表現を工夫することで理解を促進できるかどうかに関して,今後検討を行う。

会場案内:法政大学市ヶ谷キャンパス
ボアソナードタワーは,市ヶ谷キャンパス内の26階建てのビルです。エレベーターはオレンジ(低層階用)と青(高層階用)の2種類あります。どちらもご利用できますが,青いエレベータの方が便利です。そのまま直接,11階のBT1100教室までお越しください。守衛所等で受け付けなどは必要ありません。
なお,緊急の連絡先は,03-3264-9382(福田由紀研究室直通),
03-3264-5024(実験室付属の準備室)です。
http://www.hosei.ac.jp/hosei/campus/annai/ichigaya/access.html
http://www.hosei.ac.jp/hosei/campus/annai/ichigaya/campusmap.html

研究会HP:https://sites.google.com/site/discoursestudy/

問い合わせ先:
  淑徳大学 短期大学部 常深浩平
  E-mail: koh.tsunemi[at]gmail.com ([at] を@に置き換えてください)