****************************************************************
基礎心理学研究 特集号「オンライン基礎心理学研究の挑戦」
<<<投稿締切延長(2021年7月末日)>>>
****************************************************************

基礎心理学研究 特集号「オンライン基礎心理学研究の挑戦」の投稿締切が2ヶ月 延長され,2021年7月末日となりました。ぜひ投稿をご検討ください。

特集テーマ:「オンライン基礎心理学研究の挑戦」(Endeavors of the online psychonomic research)

企画:村上郁也(東京大学)

1. 企画趣旨
 突然のパンデミック時代を迎え,全人類の社会活動が大混乱を来しました。各 国の出入国管理により国際交流は途絶え,経済指標は最悪の数値をたたき出し, 国内政治では市民に大なり小なりの行動制限をかけ,そして,大学や研究施設は エピセンター化を忌避して入構制限をかけました。アカデミアは活動の場を失 い,特にヒトや動物を研究対象とする実証的研究は事実上ほぼ全面的に運転を見 合わせざるを得なくなりました。今春に始まったこうした混迷は,莫大な犠牲を 伴いながらようやく一番底は脱したかもしれませんが,今なお終息にはほど遠い 状況です。
 しかし,日進月歩で進展することがその定義に組み込まれている種々の社会活 動は,いつまでもブレーキをかけたままでいるわけにはいきません。基礎研究も 同様です。有事の際には,個人,集団,学術団体,国際組織といったさまざまな レベルにおいて,レジリエンスが最大限に発揮されなければなりません。実験室 の稼働に制約がある,それならただちにプランBに切り替えよう。そうした臨機 応変な対処を可能にするひとつの大きな道具立てが,高度情報通信ネットワーク 社会です。COVID-19の蔓延の直前に情報インフラがすでに「蔓延」していたこと が,本当に,不幸中の幸いでした。大学の授業はオンラインで実施され,学生は 自宅でコンピュータ越しに講義に出席し,一方通行でなく各種のインタラクティ ブな手段とともに授業に参加することができます。確かにデメリットも多いもの の,オンライン固有のメリットもあるということが次第に了解されてきました。 そうであれば,インタラクションができることを十分条件とする各種の社会活動 はオンラインで原理的に実施可能であろうと思われます。昨年までは細々と展開 されていたオンラインでの心理学研究は,今や「爆発的流行」を果たしたと言っ ても過言ではありません。
 このような背景から,「オンライン」で行われる研究であって『基礎心理学研 究』誌のスコープに当てはまる研究成果が,ひとつところに集合して掲載される ことが,研究ノウハウの相互理解,実験環境などのテクノロジーの共有,研究手 段としての効用と限界の理解,そしてもちろん,得られた貴重な研究成果が迅速 に発出される機会として,この時期だからこその大きな学術的意義があると考え ました。

2.特集企画で扱う論文の範囲
 この特集号では,感覚,知覚,記憶,学習,思考,判断,意思決定,感情,社 会認知など,基礎心理学が研究対象とする種々の心理過程に関して,広い意味で 「オンライン」で実施される研究の論文を広く募集します。広い意味での「オン ライン」とは,人と人 (あるいは人と動物,動物と動物) が,密閉・密集・密接 のために,本来物理的に近接した状態で何事かを実施するべきところその実施は 控えるべきという社会的要請のなかで,そうした近接状態を必要とせずに何らか のインタラクションをするということ (研究者が研究参加者に課題の実施を求 め,求めに応じて参加者が実施した結果として何らかのデータが得られるといっ たこと) を想定しています。したがって,オンライン会議システムを利用する研 究をはじめ,ウェブサイトへのアクセスにより実施する研究や,各種ポータブル デバイス越しにデータをやりとりする研究も含めることとします。また,電子 メール・SNS・電話・FAX・郵便などの従来型の通信手段を用いることも,その研 究が前述の社会的要請を受けて行った事業でありかつ『基礎心理学研究』誌のス コープの範囲内であれば,特に特集企画の範囲から外される理由はありません。 さらに,既発表のオンライン基礎心理学研究論文を比較検討し,オンライン利用 に関連する理論やモデルを新たに提案するというようなメタ研究も範囲に含めます。

3. 募集要項
 2021年7月末を締切りとします。基本的にはオリジナルな実験研究の論文等を 募集しますが,基礎心理学研究でのオンライン利用に関連する理論やモデルに関 する研究も含めます。英語論文,日本語論文のどちらでも可で,原著論文・研究 ノート・評論のいずれも可です。執筆・投稿規定 (http://psychonomic.jp/journal/index.html )にしたがって原稿を作成して 下さい。 原稿はウェブ投稿・審査システム(http://jjps.edmgr.com/ )から投 稿して下さい。本特集は 2022年3月末発行予定の第40巻2号に掲載されます。

4. スケジュール
投稿締切:2021年7 月末
採否決定:2022年1 月末

5. 問い合わせ先
事務局編集担当:kisoshin-edit[at]bunken.co.jp([at]を@に変更してください。)