日本行動計量学会 第28回春の合宿セミナー

「マーケティングとベイズ統計学:Rによる実践的モデリング」開催のお知らせ
実行委員長 篠原正裕(株式会社インテージ)

 日本行動計量学会の第28回春の合宿セミナーは、講師として一橋大学の加藤諒先生をお迎えし、「マーケティングとベイズ統計学」について、充実の3日間、90分×8コマの集中講義を行います。テーマについて講師や参加者同士で活発な議論を交わして交流を深めることができるよう、昨年に引き続き合宿形式で開催しますので奮ってご参加ください。富士の裾野で美味しい料理と温泉を楽しみながら2泊3日でしっかり学ぶことができます。
 なお、合宿形式での参加が難しい方も受講可能なようにオンライン(リアルタイムLIVE/復習オンデマンド配信あり)での参加も可能ですので、遠方の方もぜひ参加をご検討ください。
 充実した内容にも関わらず、90分1コマあたり準会員(学生)は約560円、正会員は約1,125円という価格設定でのセミナー開催は、学会主催であるからこそ実現できるものです。
 自らの学びと研究のため、あるいは、考え方のヒントを掴み教育に活かすために、学生、社会人実務家から教員の皆様まで、幅広いご参加をお待ちしております。

<開催基本情報>
開催日時:2026年3月27日(金)~ 3月29日(日)(3日間)
開催方法:対面合宿とオンライン・リアルタイム配信(LIVE形式)のハイブリッド開催
終了後に動画の準備が整いましたら、約2週間、復習用のオンデマンド動画を申込者限定で公開します。当日、参加できない場合にも視聴可能です(動画配信は2026年4月上旬〜中旬を予定しています)。

会場:東富士リサーチパーク内 TOTO東富士研修所/JR御殿場駅より送迎バス(タクシーで約15分)
講師:加藤諒(一橋大学 大学院ソーシャル・データサイエンス研究科 准教授)
セミナー詳細・申込
https://spring28.peatix.com
<講師によるコース概要説明>
 マーケティングで扱われるデータは、購買・選択・評価・継続利用といった行動や調査回答から構成されますが、その背後には「選好」「関与」「価格感」など、直接観測できない潜在的な心理状態が存在します。マーケティング分析の本質は、このような見えない状態を仮定し、限られたデータから推論する点にあります。
 ベイズ統計学は、不確実性の下で未知のパラメータや潜在状態を確率分布として捉え、データに基づいて更新していく枠組みです。この考え方は、消費者間の異質性が大きく、観測データが十分でないことも多いマーケティング分野と極めて相性が良く、現在のマーケティング・サイエンス研究や実務分析の中核をなしています。
 本セミナーでは、まず簡単にベイズ統計学のおさらいをします。その上でマーケティングにおける代表的なデータ構造(売上データ、ブランド選択などの二値・多値データ)を確認し、線形回帰モデルやロジットモデルなどを例に、頻度論的な推定とベイズ推定の違いを直観的に説明します。ベイズ推定の中心的なツールとなるマルコフ連鎖モンテカルロ法についても、簡単な説明を行います。
 次に、マーケティング分析の中心的課題である消費者異質性のモデリングに焦点を当て、消費者セグメントごとの選好や反応を推定する方法を扱います。さらに、潜在変数モデルを通じて、観測されない消費者の参照価格をベイズ統計学を用いて推定する方法を紹介し、より実践的なマーケティングモデリングの例について説明します。
 本セミナーでは、Rを用いた実践的な演習も行います。ここでは基本的にはデータの発生からベイズ推論までを一貫して自らの手でコードを書く、スクラッチコードのスタイルで説明を行います。これは「ソフトウェアのパッケージでマーケティングモデルの推定をしたことはあるが、そのモデルの中身については何となくしか理解していない」、という現象を避けるためです。スクラッチでコーディングを行うことは、そのマーケティングモデルの中身を理解するのに非常に役立ちます。
 理論と演習を反復することで理解を深め、Rの基本操作からベイズ推定を用いたマーケティングモデルの分析まで段階的にサポートします。本セミナーは、実務的・学術的なマーケティングモデルの構築と推定を、自由自在に行えるようになることを最終目標とします。

<問い合わせ先>
日本行動計量学会 運営委員会
bms_events[at]kosugitti.net([at]を@に変更してください。)