日本認知心理学会会員の皆さま,

日本認知心理学会研究法研究部会事務局の望月と申します。

研究法研究部会では2022年度2つ目の企画として,3月11日に研究法に関してさまざまな情報共有を行うクロストークセッションを実施いたします。今回は発表者が決定いたしましたのでご案内をいたします。ご興味のある方は以下をご参照のうえ,多くの方のご参加をお待ちしております。

第5回研究会 クロストークセッション

研究会概要:
心理学・行動科学の研究の中で,研究の方法に関して以下のような思いを抱いたことはないでしょうか。

こんなふうにしてみたらうまくいった(共有)
今こんなことを勉強している(学習)
こんなことをしたいのだけれどこれでいいかわからない(相談)

こうした思いを共有する場として,研究法研究部会では来る3月にクロストークセッションを開催いたします。各10分で内容について発表いただき,研究法に関心のある聴衆と広く情報を共有したり,投げかけた問いについて議論することを意図しています。今回は7名の発表者に研究に関わる学習・相談・共有についてトークいただきます。専門性の高い議論というよりもざっくばらんに語り合う機会にできればと考えております。ご興味のある方はぜひ参加いただければ幸いです。

日程:
2023年3月11日(土) 13:00〜16:30(予定)

会場:
Zoomミーティング

参加費:
無料 (参加申込フォームより登録が必要です。下記の説明をご覧ください)

研究会への参加方法:
https://sites.google.com/view/jscp-research-methods/new_workshop にあります参加申込みフォームからご登録ください。登録いただくとZoomのリンクとパスコードを自動返信にてお送りいたしますので,開催時間になりましたらリンクからご参加いただければと存じます。

発表者と発表概要(50音順,敬称略):

発表者:井関 龍太(大正大学)
タイトル:引用文献リスト自動作成の試み――DOIの活用とその課題―― 概要:論文誌の指定形式に沿って毎回引用文献リストを作成するのは億劫なものである。最近の論文にはDOIが付与されていることがふつうであり,過去の文献にもさかのぼって付与されている。DOIを利用することによって自動的に引用文献リストを作成することができるのではないか。本発表ではそのような試みとして作成したRによるプログラムを紹介し,その経過で明らかになった限界について報告する。

発表者:近藤 秀和(東京都立産業技術大学院大学)
タイトル:職場の不満と対処に関する研究 概要:テーマ:職場の不満と対処に関する研究  分析の対象:商社や銀行などの営業職などのサポート役である女性アシスタンが、何に対して不満を感じ、どの様に対処しているのかを分析対象に考えています。 分析手法:先ず、国立情報学研究所が提供する「不満データ」に対してテキストマイニングによって不満の傾向を確認します。また、その結果を踏まえた対処に関するインタビューを行い、M-GTAなどの質的分析で考察する、という手法を検討しています。

発表者:新妻 文香(名古屋大学)
タイトル:進捗報告会「エムレポ」 概要:研究を進めるにあたり自己マネジメント力向上や研究方法共有,知識共有のため週1で研究室の進捗報告会を主催している。進捗報告会をすることで以前より研究が進んだとの意見もあり進捗報告会の意義を感じられているため紹介させていただこうと思う。

発表者:古荘 智子(名古屋大学)
タイトル:制御焦点適合を生かした英語語彙学習指導法の検討 概要:英語の語彙学習を苦痛と感じる学習者は多い。それを解決する1つの方法として、制御焦点適合の理論を用いる。方法は、まず英語の語彙学習領域に特化した制御焦点尺度を作成する。そして、促進あるいは防止焦点傾向の強い学習者に対し、それぞれに合った指導方法を提案することにより、語彙学習に対するポジティブ感情および学習効果を高める。

発表者:宮下 達哉(日本大学)
タイトル:造形教育は芸術以外の分野における成績とどう関連するのだろう? 概要:デッサンの教育を受けた人はそうでない人よりも絵を描くことが上手であるように,造形教育は芸術に関連する分野での成績を上げる要因だと想像しやすいと思います。一方で,芸術以外の分野での成績にはどのような影響を及ぼすのでしょうか? 本発表では,芸術以外の分野として学業成績や言語処理能力などに着目し,それらの文献レビューの紹介をさせて頂いた上で,造形教育と芸術以外の領域との関連について議論できればと思います。

発表者:望月 正哉(日本大学)
タイトル:PsychoPy Builderで簡単に眼球運動計測ができた 概要:GUIでも心理学実験を作成できるPsychoPyは初学者にも敷居が低いアプリケーションである。本発表では,眼球運動計測初心者の報告者がPsychoPy BuilderとGazePoint GP3を用いて眼球運動等を計測した。その結果,測定自体は極めて容易に測定することができることがわかった。ただし,データは多岐に渡り,初学者は,その扱いに慣れる必要があることもわかった。

発表者:山根 嵩史(川崎医療福祉大学)
タイトル:ChatGPTを使って学会発表アブストラクトを書いてみた 概要:大規模自然言語処理モデルであるChatGPTは,その高い文章生成能力が注目される一方で,Science誌がChatGPTを含むAIツールによって作成された論文の投稿を禁止するなど,学術界隈でも物議を醸している。本発表では,学会発表のアブストラクト作成にあたってChatGPTを使用し,その使用感について報告するとともに,学術文書の作成におけるAIツール使用のあり方について参加者と討議することを目的とする。