日本認知心理学会会員のみなさま

第18回KG-RCSPセミナーを,下記の通り開催します.

【日時】2018年1月19日(金)15:10~18:20(予定)
【場所】関西学院大学西宮上ケ原キャンパス 図書館ホール(関西学院大学図
書館B1F)
【発表者】竹澤正哲 氏(北海道大学大学院文学研究科・北海道大学社会科学実
験研究センター)
https://lynx.let.hokudai.ac.jp/~takezawa/
【タイトル】協力の進化:行動科学者は、この学際的な研究に何を貢献しうる
のか

【概要】協力の進化と呼ばれる研究は、自然科学と社会科学、数理モデルと実
証研究が互いに影響を与えながら発展してきた。21世紀に入ると、群淘汰、遺
伝子と文化の共進化といった、生物学に出自を持つ概念を使って人間の協力を
説明しようとする動きが加速する。だがこの動きは、偏狭な利他主義を巡る論
争に代表されるように、研究者の間に様々な誤解や混乱をもたらしている。
 本発表ではまず、協力の進化を巡る近年の理論研究を整理した上で、「人間
は偏狭な利他主義者であるはずだ」とか「人間は集団間での争いに勝ち抜くた
めに協力的な性向を獲得したのだ」といった類の主張が、理論モデルから必然
的に導かれるわけではないことを指摘する。続いて、協力の進化における理論
研究から、心理学者が汲み取るべき最も重要なメッセージとは、人口動態や集
団構造の重要性であることを指摘する。そして、心理学者が行うような行動実
験が、この研究テーマに対してどのように貢献しうるのか、具体例を通して議
論する。

【抱負】質疑応答込みで3時間のトークという稀有な機会を頂いた。そこで、
「協力の進化」という大きな問いを巡る理論研究の現状を、専門家でない心理
学者にも理解してもらえるように紹介した上で、心理学者がこの学際的な研究
領域に対してどのように貢献していくことができるのか、聴衆とともに議論し
たい。

※参加無料
※学内外を問わず,事前申込は不要ですが,資料準備等の都合上,学外の方は
清水裕士(simizu706(at)gmail.com)([at]を@に変更してください。)宛にご
一報をいただけると助かります.