心の理論と文化的適応についての講演会

場所  龍谷大学大宮学舎南黌105

    〒600-8268 京都市下京区七条通大宮東入大工町125-1

http://www.ryukoku.ac.jp/about/campus_traffic/traffic/t_omiya.html



日時  2013年3月22日 15:00-17:50



15:00-16:20

誤信念課題は文化普遍的に「心の理論」を測定するのか?

誤信念課題の性質とその変質の解析と成人を対象とした文化比較の可能性について



郷式 徹 (龍谷大学・文学部)



 過去30年間にわたる「心の理論」研究において、文化差が指摘されたことがな
かったわけではない。しかし、現在の戦況を見ると生得説が優勢な状況となって
いる。そこで、本発表では、こうした状況を生み出した原因の一つであると思わ
れる「心の理論」研究で中心的な課題である誤信念課題の性質とその変質につい
て、まず、検討する。一方、成人(児童期を含む場合もある)を対象とした誤信
念課題を用いた研究が始まっている。幼児(もしくは乳児)を対象とした研究が
生得説に傾いているのに対して、成人を対象とした研究では誤信念課題という比
較的シンプルな課題によって文化社会的影響を検討できる可能性があることの提
案を本発表の二つ目の目的としたい。



16:30-17:50

関係流動性と「個人主義」的心理傾向の社会性



竹村幸祐 (京都大学・大学院経営管理研究部附属経営研究センター)



 これまでに心理・行動傾向についての比較文化研究が幅広く展開され、様々な
文化差が確認されてきた。本発表では、そうした心理・行動傾向の文化差と関係
流動性(当該社会または社会状況における対人関係に関する選択肢の多さ)の関
係について論じる。特に、関係流動性と独自性欲求の関係、また、関係流動性と
制御焦点の関係についての研究を紹介する。その中で、社会の関係流動性の高さ
によっては、独自性欲求などのいわゆる「個人主義」的傾向が、他者との断絶や
孤立をもたらすものではなく、むしろ望ましい社会生活の保持に貢献する可能性
などについて議論する。





問い合わせ先

山 祐嗣 (大阪市立大学・大学院文学研究科)

yama.hiroshi1204@gmail.com