3 講演会: 2014年10月アーカイブ
■ラトガーズ大学Chinn教授講演会のご案内
下記の通り講演会をおこないます。どうぞお越しください。
●日時:2014年11月10日(月)10:30~12:00
●場所:京都大学教育学部 本館1F第1会議室
●講演者:Professor Clark A. Chinn(Rutgers University, USA)
●タイトル:Improving Students' Argumentation in Science Classes
(生徒の科学的論証力を育む理科の授業:新たな学習デザイン)
● 内容:Clark Chinnラトガーズ大学教授は,教育心理学者で,科学教育におけ
る推論能力や概念変化の育成について研究の第一人者です。Clark Chinn 教授が
提唱しているのはEpistemic design(認識のデザイン)であり, pistemic
competencies(認識コンピテンシー)を育む学習環境をデザインすることです。
epistemic competenciesとは,気候変動などの現実の問題を解決する実践的推論
能力と,どのように論証をくみたてるかという認識論的過程をメタ認知的に内省
する能力を含みます。
今回の講演では,生徒の科学的論証力を育む理科の授業への新たな認識論的な
アプローチとして,従来の論証構造を分析する手法に加えて,科学的論証の評価
規準と科学的知識を生み出す信頼できる過程について教える手法について,中学
高校生を対象とした実践的研究に基づいて報告していただきます。そして,生徒
の論証力と批判的思考力を育成する学習環境のデザインについて議論したいと考
えています。
を参照ください。
●参加費:無料,申し込み不要です。
●問い合わせ先:楠見孝kusumi(at)educ.kyoto-u.ac.jp
日本認知心理学会 第2回 社会連携シンポジウム
「認知心理学と企業における研究・開発―その2」
本シンポジウムは、企業における研究・開発に認知心理学が、あるいは認知心
理学を学んだ人材が、どのように貢献しうるのかについての理解を深めることを
目的とします。 昨年に引き続き今年度も、認知心理学に対する産業界からの要
請の背景と現状、また、それらに対して心理学がどのように答えようとしている
のかを議論します。特に、企業で研究・開発に携わっておられる方から、企業に
おける認知心理学の位置づけの実際や認知心理学に対する期待をお話頂きます。
また、企業などとの共同研究に取り組んでいる研究者からは、産業からの要請に
対して、認知心理学に何ができるのか、をアピールして頂きます。
将来、心理学を活かした職業を希望されている皆様、心理学が企業での研究・
開発にどのような役に立つのかを模索しておられる企業の皆様、その他、心理学
と産業界との接点に興味のある皆様の参加をお待ちしております。
日時:11月18日(火) 13:20-16:45 (13:00より受付開始)
会場:京都大学、東京オフィス(東京・品川駅前)
参加費:無料(会員、非会員、どなたでもご参加いただけます。事前登録不要)
プログラム(敬称略)
13:00 受付開始
13:20~15:00 第一部:企業での研究開発と心理学の実際
石川敦雄(株式会社竹中工務店 技術本部)
松嵜直幸(サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社 研究部)
15:10~16:10 第二部: 認知心理学の産業への展開
永井聖剛(愛知淑徳大学 人間情報学部)
和田有史(農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所食品機能研究領
域 食認知科学ユニット)
16:15~16:45 第三部:総合討論
17:30~ 交流会
・交流会について
品川駅近辺でシンポジウム終了後交流会を開催いたします。会場の都合がありま
すので,
できる限り14日金曜日までに以下のフォームよりお申し込みください。
日本認知心理学会公開シンポジウム
「認知心理学のフロンティア -こころの常識と偏見を超えて-」のご報告
人間の心に関する認知心理学的なアプローチは、医療、教育、司法、防災、産業
など様々な現場から緊急の課題に応える意味でますます重要視されています。認
知心理学会では、このたび認知心理学的アプロローチの現在を広く社会に理解し
ていただくために、平成26年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成
果公開発表(B)の助成をうけて、「認知心理学のフロンティア:こころの常識
と偏見を越えて」と題して公開シンポジウムを本年10月18日(土)に京都女子大
学発達教育学部で開催いたしました。シンポジウムには一般社会人、大学学部
生、院生、研究者など合計80名の、幅広い層からの参加を得ました。
第一部講演会「認知心理学の新展開」では、各分野から3人の著名な研究者に話
題提供をして頂きました。
講演1 「犯罪捜査の認知心理学」越智啓太(法政大学教授)
講演2 「防災の認知心理学」邑本俊亮(東北大学教授)
講演3 「発達プロセスの認知脳科学的解明」 乾敏郎(京都大学教授)
はじめの二つの講演は犯罪捜査や、防災の現場に認知心理学がどのように生か
されているのか、また活用されようとしているのかを中心に話されたものであ
り、認知心理学の応用可能性や有用性について、強く、かつわかりやすく紹介する
ものでした。最後の講演は、発達障害を中心に認知心理学が脳科学と密接な連携
を取ることによって、新たな展開を示す研究の最前線を報告したものでした。こ
れらを受けてフロアーからも熱心な質問が相次ぎ、活発な議論がなされました。
第二部の公開参加型ゼミでは、「社会に貢献する認知心理学」をテーマに4つの
話題提供が行われました。ゼミ1,2とゼミ3,4は別の部屋で並行して行わ
れ、比較的少人数の大学のゼミの体験型授業のような形式でした。
ゼミ1 「お客様の『心』をつかむ商品開発」熊田孝恒(京都大学教授)
ゼミ2 「他者のこころの認知と集団規範の生成:『暗黙のルール』はいかにし
て生まれるか」村本由紀子(東京大学准教授)
ゼミ3 「時間的展望から死について考える」下島裕美(杏林大学准教授)
ゼミ4 「感情と身体空間」佐々木恭志郎(九州大学 学術振興会特別研究員)
いずれのゼミでも、講演会よりもコンパクトな教室でしかもより長い時間をとっ
て実施されたために、講師のお話の途中でも気軽にたくさんの質問がされ、また
終了時間ぎりぎりまで熱心な討議が行われ、より深い理解と知識共有がなされた
と思います。
最後にアンケートを実施したところ、様々な感想が寄せられました。以下に1
部の例をあげます。
・「学術的知識だけでなく、先生方の現場感覚・体験が組み込まれていたのが
新鮮で、楽しく聞かせていただきました」
・「認知心理学のあらゆる話が聞けてとても面白かった・・・『こんな研究が
あるんだ』と驚くことが多かった」
・「フロンティアの題にピッタリとくる、本当に興味深く、おもしろいお話が
たくさん聞くことができました。参加できたことが嬉しいです。認知心理学はや
はりおもしろいですね」
他にも多くの高く評価する感想が寄せられました。なお、今回の発表は小冊子
としてまとめられ、認知心理学会のHP上に掲載される予定です。
本学会はこれからも、実験室の中で行われた研究、あるいは社会現場でなされ
た研究など、面白く有益な知見を広く社会に還元するために、様々な形で発信し
ていきたいと思います。今後とも日本認知心理学会の活動をご支援くださいます
ようお願いいたします。
認知心理学会理事長
行場次朗
このたび、熊本大学「心の可塑性研究ユニット」では、下記の国際シンポジウム
『高齢者のライフスタイルと脳のはたらき』を開催します。
多くの皆様のご来聴をお待ちしています。
日時 10/19(日)13:00-17:10
場所 熊本大学黒髪南キャンパス 百周年記念館
<講演者>
■月浦崇(京都大学)
"Effects of aging on memory-related activations and of
lifestyles on memory functions in elderly people"
■Michael Rugg (University of Texas at Dullas)
"Understanding individual differences in episodic memory across
the adult lifespan: evidence from functional neuroimaging"
■積山薫(熊本大学)
"Development and maintenance of cognitive functioning
through visuomotor experiences"
■Kristine Walhovd (University of Oslo)
"Lifespan MRI studies of brain and cognition ? principles of
change, and can we affect the changes?"
指定討論者 池田学(熊本大学・老年神経心理学)
高橋隆雄(熊本大学・生命倫理学)