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日本認知心理学会第15回大会論文集は
本日より大会webサイト
https://confit.atlas.jp/guide/event/cogpsy2017/top
から、学会員の皆さまにご覧いただけます。
パスワードは
jscp15keio
です。 

認知心理学会の会員の皆様

認知心理学会第15回大会が迫ってまいりました。今回も,認知心理学会優秀発表賞の規定にもとづき,以下の6部門で発表賞の選考が行われます。

・優秀発表賞 新規性評価部門 若干名
・優秀発表賞 技術性評価部門 若干名
・優秀発表賞 社会的貢献度評価部門 若干名
・優秀発表賞 発表力評価部門 若干名
・優秀発表賞 国際性評価部門 若干名
・優秀発表賞 総合性評価部門 若干名

(ただし,どの部門も該当者なしの場合もあります)

選考は,一般会員の推薦と,理事長が任命する選考委員の推薦ならびに協議により決定されます。
第15回大会では,昨年同様,座長の方々も選考委員になっていただきます(非会員の方除く)。
また,機関誌「認知心理学研究」の編集委員にも選考委員になっていただきます。

本年度も,第一発表者と題目を記載した推薦用紙を会場でお渡しいたします。
お聞きになった口頭発表やポスター発表のうち,推薦する発表に○をつけ,会場内の投票箱にお入れいただくか,大会後,認知心理学会事務局宛に郵送,またはメールでお送りください。

期限は2017年7月3日です。メールによる場合は,推薦用紙をダウンロードして記入の上,お送りください。
推薦用紙は以下のURLから近日中にダウンロードできるようにします。

学会サイト
http://www.cogpsy.jp/

郵送: 〒 813-8581 福岡市東区箱崎6-19-1
      九州大学 大学院人間環境学研究院(文学部)
      心理学教室内 日本認知心理学会事務局

E-mail: award[at]cogpsy.jp ([at]を@に置き換えてください。)
(事務局のメールアドレスではありませんのでご注意ください)

発表賞は,かつては推薦件数が少なく、選考を見送らざるをえない事態も起こりました。
本学会の発表賞選考は,他の学会と異なり,一般会員の方々のご推薦に大きく支えられています。
認知心理学研究のさらなる発展のためにも,数多くのご推薦をどうぞよろしくお願いいたします。

    日本認知心理学会理事長
        箱田 裕司

日本認知心理学会第15回大会
プログラム、発表論文集などの公開について

各位

 来たる6月3日、4日に開催される第15回大会のプログラム、大会論文集などが大会のウェブサイト上で公開されました。ご覧いただき、ぜひ会場に足をお運びいただきますようお願 いいたします。
 なお、本大会では紙媒体のプログラム、大会論文集は作成いたしませんので、ウェブサイト上で、あるいはPDFをダウンロードした上でご利用いただきますよお願いいたします。大会会場では、ご参加の皆様にWI-FIを利用していただけるようにしておりますので、会場でも閲覧、検索、ダウンロード など可能です。
 大会論文集は、会期終了までは大会参加者の皆様、会期終了後は学会員の皆様に公開され、閲覧、ダウンロードにはパスワードが必要です。(その後、J-STAGEで一般公開する予定です。)パスワードはメールでお知らせいたしますので、ご確認の上ご利用ください。
 大会ウェブサイトのURLは以下の通りです。

  https://confit.atlas.jp/guide/event/cogpsy2017/top

 皆様のご利用、ご来場をお待ちしております。

2017年4月26日

日本認知心理学会第15回大会
大会準備委員長  伊東 裕司
プログラム委員長  梅田 聡

日本認知心理学会第15回大会 発表申込の締切延長について

日程:2017年6月3日(土)―4日(日)
場所:慶應義塾大学三田キャンパス
大会ウェブサイト:https://confit.atlas.jp/guide/event/cogpsy2017/top

変更点: 発表申込(抄録締切)締切日を7日間延長しました.
 (旧)2017年2月28日(火)
 (新)2017年3月7日(火)

その他の締切については,変更しておりません.また,締切の再延長はありません.

準備委員会一同,皆様方のご参加とご発表申込を,心よりお待ち申し上げております.


日本認知心理学会第15回大会準備委員会 委員長
慶應義塾大学文学部 伊東裕司
第15回日本認知心理学会大会のウェブサイトを公開し、各種申し込み受付を開始しました。
大会サイト
https://confit.atlas.jp/cogpsy2017

※近日中に学会サイトからもリンクいたします。
認知心理学会第14回大会優秀発表賞候補推薦のお願い


認知心理学会の会員の皆様
認知心理学会第14回大会が迫ってまいりました。今回も,認知心理学会優秀発表賞の規定にもとづき,以下の6部門で発表賞の選考が行われます。

・優秀発表賞 新規性評価部門        若干名
・優秀発表賞 技術性評価部門        若干名
・優秀発表賞 社会的貢献度評価部門    若干名
・優秀発表賞 発表力評価部門        若干名
・優秀発表賞 国際性評価部門        若干名
・優秀発表賞 総合性評価部門        若干名
  
(ただし,どの部門も該当者なしの場合もあります)

選考は,一般会員の推薦と,理事長が任命する選考委員の推薦ならびに協議により決定されます。
第14回大会では,昨年同様,座長の方々も選考委員になっていただきます(非会員の方除く)。
また,機関誌「認知心理学研究」の編集委員にも選考委員になっていただきます。

本年度も,第一発表者と題目を記載した推薦用紙を会場でお渡しいたします。
お聞きになった口頭発表やポスター発表のうち,推薦する発表に○をつけ,会場内の投票箱にお入れいただくか,大会後,認知心理学会事務局宛に郵送,またはメールでお送りください。

期限は2016年7月19日です。メールによる場合は,推薦用紙をダウンロードして
記入の上,お送りください。

推薦用紙は以下のURLからもダウンロードできるよう、近日中に準備いたします。

学会サイト
http://www.cogpsy.jp/


郵送: 〒 812-8581 福岡市東区箱崎6-19-1
    九州大学 大学院人間環境学研究院(文学部)
      心理学教室内 日本認知心理学会事務局

E-mail: award[at]cogpsy.jp
(事務局のメールアドレスではありませんのでご注意ください) 

発表賞は,かつては推薦件数が少なく、選考を見送らざるをえない事態も起こりました。
本学会の発表賞選考は,他の学会と異なり,一般会員の方々のご推薦に大きく支えられています。
認知心理学研究のさらなる発展のためにも,数多くのご推薦をどうぞよろしくお願いいたします。

                    日本認知心理学会理事長
                         箱田 裕司 
会員の皆様

認知心理学会第14回大会のプログラムを公開いたしましたのでお知らせいたします。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/cogpsy14/program.html

なお日程変更のご要望はお受けいたしかねますことをご了承ください。


会員の皆様の大会へのご参加を心よりお待ちしております。

2016年5月13日
第14回大会準備委員長 中條和光 (広島大学)
会員の皆様

認知心理学会第14回大会の論文集原稿提出,予約参加振込の締切延長につきまし
て,お知らせいたします。

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【締切延長】
締切を,週末を含め4月17日(日)まで延長いたします。
プログラム編成の都合上,早めのご提出・お振込をお待ちしております。

【大会情報】
日程:6月18日(土)―19日(日)
場所:広島大学東広島キャンパス(広島県東広島市)
大会ウェブサイト:http://home.hiroshima-u.ac.jp/cogpsy14/

よろしくお願いいたします。

日本認知心理学会第14回大会準備委員会 委員長
広島大学教育学研究科 中條 和光
cogpsy14_at_hiroshima-u.ac.jp(_at_を@に変えてください)
日本認知心理学会会員の皆様

本年6月18日-19日に開催される第14回大会につきまして,
前日(6月17日)に開催されます日本認知心理学会ベーシックセミナーの予告と
予約参加申込・発表申込の締切延長について,お知らせいたします。

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日本認知心理学会ベーシックセミナーのご案内

日時:2016年6月17日 13:00~18:00
場所:広島大学 東広島キャンパス 広島大学学士会館レセプションホール
学士会館のHPのアドレス
http://www.hiroshima-u.ac.jp/top/kenkyusyo/gakushikaikan/
学士会館へのアクセス方法
http://www.hiroshima-u.ac.jp/gecbo/p_3e2399.html

テーマ:認知心理学における個人差

講師:中村知靖(九州大学),小川健二(北海道大学),高橋純一(福島大学)
プログラム:
12:30 受付開始
12:50 開会の辞
13:00~14:30 認知機能における個人差(仮題) 高橋純一(福島大学)
14:30~16:00 脳機能計測における個人差(仮題) 小川健二(北海道大学)
(休憩15分)
16:15~17:45 項目反応理論による個人差の分析(仮題) 中村知靖(九州大学)
17:45 閉会の辞

参加方法等は,改めてご連絡いたします。
認知心理学会大会と合わせて,奮ってご参加ください。
※ベーシックセミナーに関するお問い合わせは,大会準備委員会ではなく,
日本認知心理学会事務局宛(g-office_at_cogpsy.jp)にメールでお願いします。 (_at_を@に変えてください)

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日本認知心理学会第14回大会予約参加・発表申込の締切延長について

日程:6月18日(土)―19日(日)
場所:広島大学東広島キャンパス(広島県東広島市)
大会ウェブサイト:http://home.hiroshima-u.ac.jp/cogpsy14/

1. 重要な変更点:予約参加申込・発表申込締切日を
  16日間延長しました。
 (旧)2016年3月15日(月)
 (新)2016年3月31日(木)

2. その他の締切:下記に関しては変更しておりません。
・論文原稿提出締切:2016年4月15日(金)
・予約参加振込締切:2016年4月15日(金)

準備委員会一同,皆様方のご参加とご発表申込を,心よりお待ち申し上げており
ます。


日本認知心理学会第14回大会準備委員会 委員長
広島大学教育学研究科 中條 和光
cogpsy14_at_hiroshima-u.ac.jp (_at_を@に変えてください)
第13回日本認知心理学会優秀発表賞の選考結果のお知らせ

 日本認知心理学会優秀発表賞規程に基づき,選考委員会において審議を重ねた
結果,推薦発表総数62件の中から,以下の4件の発表に,規程に定められた評価
部門の優秀発表賞を授与することに決定いたしました.受賞者には第14回大会の
総会にて,優秀発表賞を授与いたします.会員の皆様におかれましては,今後と
も日本認知心理学会におきまして数多くの優れた発表をなされることをお願いい
たします.

2016年1月22日
日本認知心理学会優秀発表賞選考委員会委員長
箱田 裕司

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【新規性評価部門】

受賞者(所属):今回は該当者なし.


【技術性評価部門】

受賞者(所属): 福井隆雄(リヨン神経科学研究センター・国立障害者リハビ
リテーションセンター研究所)レヴォル・パトリス*(アンリガブリエル病院,
リヨン市民病院「Mouvement et Handicap」部門)サルム・ロメオ*(リヨン神
経科学研究センター)ピゼラ・ロール*(リヨン神経科学研究センター)ロセッ
ティ・イヴ*(リヨン神経科学研究センター・アンリガブリエル病院,リヨン市
民病院「Mouvement et Handicap」部門)

発表題目:「頭頂葉損傷患者における把持とそのパントマイムの運動学的特性」


【社会的貢献度評価部門】

受賞者(所属):中島亮一(理化学研究所 理研BSI-トヨタ連携センター)岩井
律子*(理化学研究所 理研BSI-トヨタ連携センター)上田彩子(理化学研究所
 理研BSI-トヨタ連携センター)井関龍太(理化学研究所 理研BSI-トヨタ連携
センター)熊田孝恒(理化学研究所 理研BSI-トヨタ連携センター・京都大学)

発表題目:「道路形状情報に基づく自己方向・自己位置知覚」


【発表力評価部門】

受賞者(所属):光藤優花(関西学院大学大学院文学研究科)小川洋和(関西学
院大学文学部)

発表題目:「静止画を用いた顔と声のマッチングにおける性格特性の印象の役割」


【国際性評価部門】

受賞者(所属):今回は該当者なし.


【総合性評価部門】

受賞者(所属):上田祥行(京都大学こころの未来研究センター)

発表題目: 「アンサンブル処理によって生じる単純接触効果」


(注;*は2016年2月2日現在での非会員を示す.規程により,非会員の方は受賞
の対象となりませんが,本年度内に会員になれば受賞資格が与えられます.)

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以下,受賞研究の抄録と推薦理由です.
学会HPもご覧下さい.  http://cogpsy.jp/index.html

【新規性評価部門】

受賞者(所属):今回は該当者なし.


【技術性評価部門】

受賞者(所属): 福井隆雄(リヨン神経科学研究センター・国立障害者リハビ
リテーションセンター研究所)レヴォル・パトリス*(アンリガブリエル病院,
リヨン市民病院「Mouvement et Handicap」部門)サルム・ロメオ*(リヨン神
経科学研究センター)ピゼラ・ロール*(リヨン神経科学研究センター)ロセッ
ティ・イヴ*(リヨン神経科学研究センター・アンリガブリエル病院,リヨン市
民病院「Mouvement et Handicap」部門)

発表題目:「頭頂葉損傷患者における把持とそのパントマイムの運動学的特性」

発表要旨:脳内の視覚情報処理経路について,背側経路と腹側経路に区分され
(e.g., Goodale & Milner, 1992; Jeannerod & Rossetti, 1993),さらに,背側
経路は背-背側経路,腹-背側経路に区分される(e.g., Pisella et al., 2006;
Rizzolatti & Matelli, 2003).行為生成における各経路の役割を検討するため
に,頭頂葉損傷患者を対象に,視線条件(中心視・周辺視),物体の親近性を操
作して,到達把持運動とそのパントマイム動作を計測した.背-背側経路を損傷
された患者では,周辺視による到達把持運動の障害とパントマイムによるつかみ
幅の改善が認められた.腹-背側経路も損傷された患者では,親近性のない物体
へ周辺視でパントマイム動作を行った際,つかみ幅の調節が著しく損なわれた.
これらの結果は,1) 行為生成における背-背側経路と腹-背側経路の異なる機能
と2) 物体の親近性による調節を行う腹側経路の関与を示唆する.

選考理由:本研究は,脳損傷患者の到達把持運動およびそのパントマイム動作か
ら背側経路および腹側経路の機能について検討した.実験では背-背側経路およ
び腹-背側経路の損傷患者データを比較し,背-背側経路では外部環境に対するオ
ンライン制御,腹-背側経路では内部表象に基づいた行為生成を行っていること
を示した.巧みな実験条件の設定,複雑なデータを明快に示す技法等,技術性評
価部門の優秀賞に十分に値するものと判断する.


【社会的貢献度評価部門】

受賞者(所属):中島亮一(理化学研究所 理研BSI-トヨタ連携センター)岩井
律子*(理化学研究所 理研BSI-トヨタ連携センター)上田彩子(理化学研究所
 理研BSI-トヨタ連携センター)井関龍太(理化学研究所 理研BSI-トヨタ連携
センター)熊田孝恒(理化学研究所 理研BSI-トヨタ連携センター・京都大学)

発表題目:「道路形状情報に基づく自己方向・自己位置知覚」

発表要旨:人が空間内の対象を知覚する際,同時に自分自身についての空間情報
も知覚している.本研究では,道路上に存在する自分自身についての空間知覚
(自己方向,自己位置の知覚)に対して,「道路が正立して見えること」「遠く
の情報を中心視で見ること」という,典型的な道路の見えの要因が影響を与える
かを検討した.実験では,2枚の道路画像を観察して,どちらが道路に対して正
面を向いたものか(自己方向判断),どちらが車線の中央から見たものか(自己
位置判断)を答えさせた.実験1では正立画像と倒立画像の観察条件の比較,実
験2では正立画像と上下入替画像の観察条件の比較を行った.その結果,自己方
向判断は両画像操作によって成績が低下したが,自己位置判断は条件間の成績に
違いはなかった.よって,自己方向知覚には上述の2つの要因が重要である一方
で,自己位置知覚はそれらの要因に対して頑健であり,これらは別々の認知処理
だと示された.

選考理由:認知心理学研究が社会に貢献するうえで,現実場面の特徴を捉えるこ
とと,心理学研究としての方法論的な厳密性を両立させることが常に問題とな
る.その点で,本研究は,両者のバランスをうまくとらえた価値の高い研究であ
る.現実の運転行動では,自己位置と自己方向の知覚は常に複雑な相互作用があ
り,その関係の理解は困難である.この問題に対して,本研究では,運転場面に
おける視覚情報の本質的部分(道路形状)のみを残して単純化した刺激を用い,
自己方向知覚と自己位置知覚の関係を実験的に検討可能なパラダイムを開発し
て,両者が質的に異なることを示唆する証拠を得た.この結果は,運転行動支援
という応用研究としても,視覚認知の基礎研究としても重要な貢献であり,高く
評価できる.
            

【発表力評価部門】

受賞者(所属):光藤優花(関西学院大学大学院文学研究科)小川洋和(関西学
院大学文学部)

発表題目:「静止画を用いた顔と声のマッチングにおける性格特性の印象の役割」

発表要旨:ヒトは顔静止画とその人物の音声をチャンスレベルよりも正しくマッ
チングできるが,正答率は刺激モデルごとにばらつくことが示されている
(Mavica & Barenholtz, 2013).このばらつきは,顔と声のマッチングに何ら
かの手がかりが利用されており,それが有効に機能するかどうかによって生じて
いると考えられる.本研究ではこの手がかりとして,顔と声から得られる性格特
性の印象の類似度に着目し,モデルの顔と声から受ける印象の評定値とマッチン
グ課題成績との関連を検討した.その結果,各モデルの顔と声から受ける性格特
性の評定値の類似度と正答率の間に正の相関が認められた.これは,マッチング
の手がかりとして性格特性の印象が重要であることを示唆している.また,髪型
や輪郭など顔の周辺情報が利用可能か否かにより,マッチング課題の正答率との
相関が認められる性格特性が異なった.これは,顔の周辺情報の有無によって手
がかりとして利用される性格特性が変化することを示唆している.

選考理由:顔の静止画像から声を予測できるのか, という問題は先行研究におい
て多くの検討がなされてきたが, 知見が一貫していないために, 声の予測に影響
を与える心理的要因について不明確な点が多かった. 本研究では, 顔と声から得
られる性格特性の印象の類似度が声の予測に対して影響を与えているのではない
かという仮説を検証した. 仮説, それにともなう実験手法は非常にクリアーであ
る. 得られた結果は仮説を支持するものとなっており, 新規性が高い知見が得ら
れていると考えられる. 当日の発表も, 様々な専門分野のオーディエンスがいる
ことを意識して発表していることが感じられ, 丁寧かつわかりやすいものであっ
た. 以上のことから本発表は発表力評価部門での受賞にふさわしいものであると
判断した.


【国際性評価部門】

受賞者(所属):今回は該当者なし.


【総合性評価部門】

受賞者(所属):上田祥行(京都大学こころの未来研究センター)

発表題目: 「アンサンブル処理によって生じる単純接触効果」

発表要旨:好みは様々な要因に影響されており,中でも繰り返し見たものに対し
て好みが上昇する現象は単純接触効果として知られている.我々は外界を認識す
る際に,いくつかの物体を集中的に精査すると同時に,複数の物体の情報を要約
したアンサンブル情報も取得している.本研究では,知覚したアンサンブル情報
が,記憶され,好みの形成に影響を与えるかどうかを,単純な図形を用いて検討
した.最初のセッションでは,参加者に12個の円が呈示され,その平均を計算す
るように教示された.続くセッションでは,平均の大きさの円と新奇な大きさの
円が呈示され,どちらの円がより好ましいかを判断するように教示された.実験
の結果,実際には呈示されていなかったにも関わらず,平均の大きさの円がより
好ましいと判断された.このことは,要約された情報が記憶され,行動に影響を
与えることを示している.また,人々が平均を好む傾向は,蓄えられたアンサン
ブル情報の効果によって説明できる可能性を示唆する.

   
選考理由:「好み」についての研究は,人の脳内処理の解明という基礎研究の観
点だけではなく,日常生活場面やマーケディング等への応用展開の観点からも重
要である.本研究は,人の視覚系が持つアンサンブル処理による要約情報の把握
と,視覚情報に対する好みの関係を検討したものである.人は複数の物体の大き
さの平均情報を把握する事ができるが,その平均情報を繰り返し把握している
と,それに対する単純接触効果による好みの上昇が見られたというのが本研究の
主な結果である.この結果は,実際に目にしたという経験がなくても(つまり実
際の接触がなくても),物体に対する好みを変容させうることを示しており,非
常に興味深い.また口頭による発表もきちんと準備され,内容を分かりやすく聴
衆に伝えられていた.そのため,総合性評価部門での受賞に値すると評価される.


(注;*は2016年2月2日現在での非会員を示す.規程により,非会員の方は受賞
の対象となりませんが,本年度内に会員になれば受賞資格が与えられます.)