今週の金曜日(2019年1月25日)に第1回ポジティブ情報学シンポジウムを開催します。ご興味のある方はぜひご参加ください。

第1回ポジティブ情報学シンポジウム
幸福感とはなにか −「人間中心の情報学」からのアプローチ

日時:2019 年1月25日 (金) 15:00-17:30
場所:名古屋大学情報学研究科棟1階 第1講義室

講演1 
ドミニク・チェン(早稲田大学文化構想学部・准教授)
演題:情報技術を巡る自律性の設計:集団主義的なウェルビーイングの観点から
内容:2018 年はデジタル・ウェルビーイングという用語が情報技術産業のなかで注目を浴びた年だった。 Apple や Google、そして Facebook といった大企業がユーザーのウェルビーイングに考慮した設計 を標榜する背景には、ユーザーの自律的な情報との向き合いを阻害する技術設計が発展してきた経緯 がある。スマートフォンとインターネットというグローバルな普及をみせる近年の技術革新が世界各 地で共通する精神衛生上の問題を生み出していることから、現代の情報技術の設計者は新しいウェル ビーイングのモデルを必要としている。本発表では、以上の経緯を説明した後に、主観的ウェルビー イングの研究で注目されている非西洋文化型のウェルビーイングの観点から、どのような技術設計が 導出され得るのかということについて議論を行う。
司会:笹原 和俊(名古屋大学大学院情報学研究科・講師)

講演2
内田 由紀子(京都大学こころの未来研究センター・准教授)
演題:幸福感の文化・社会的基盤
内容:近年「幸福感」は様々な分野からの注目を集め、どのような人がより幸福を感じているか、という 個人差研究から、どのような社会がより幸福感を育てているか、というマクロレベルの研究まで、 多様な検討がなされている。本シンポにおいては、特にマクロである「文化」と個人の相互の関わ り合いの中で「幸福の意味」が形成されていくという文化心理学的なアプローチから、幸福につい て考察する。具体的には、まず文化により幸福感の意味が異なり、特に日本においては他者との協 調的幸福が重要視されているという知見を示す。次に日本の地域や企業での幸福のあり方について、 近年のフィールドならびに実証研究の知見を述べ、日本社会でなぜ協調的な幸福が重視されている のかについての理論的インプリケーションを述べる。
司会:川口 潤 (名古屋大学大学院情報学研究科・教授)

予約不要・入場無料