日本認知心理学会第17回大会 ベーシック&フロンティアセミナー

認知心理学研究に役立つ知識やスキルを提供するセミナーとして,ベーシックセミナーは日本認知心理学会の大会の前日に開催してきました。本年度セミナーは第1部:優秀発表賞受賞講演,第2部:アピール力の高い研究を行うには?,第3部:認知心理学研究のための再現可能性のすゝめ,の3部構成で行います。学部生や社会人の方も含め,皆様奮ってご参加下さい。

日時 : 2019年5月24日(金) 12時40分~17時50分
場所 : 京都テルサ 東館2階中会議室( http://www.kyoto-terrsa.or.jp/floor_map/
※ 事前申込不要

会費 : 当日受付で徴収
(会員:学部生 無料,院生 無料,社会人 無料)
(非会員:学部生 無料,院生1000円,社会人3000円)
 会員,学部生,院生の方は当日の受付にて会員番号や学生証をご提示ください。


プログラム

12:15 受付開始
12:40 開会の辞

第1部:日本認知心理学会優秀発表賞受賞講演
               司会:永井聖剛(立命館大学)

12:45 – 13:15
「アイオワギャンブル課題における健常者の選択行動のクラスタ分析」
 朝倉暢彦(大阪大学),乾敏郎(追手門学院大学)
13:15 – 13:45
「形態的類似性と行為の意味性が身体認識に与える影響」
平本亮介(広島大学),金山範明(産業技術総合研究所),宮谷真人(広島大学),中尾敬(広島大学)


第2部:アピール力の高い研究を行うには?
               司会:北神慎司(名古屋大学)
               企画:日本認知心理学会 優秀発表賞選考委員会

13:55 – 14:20 発表賞受賞者が語る
14:20 – 14:35 発表賞のあり方を問う

概要:
 アカデミックに高い評価を得る,魅力的な研究を行うにはどうすればよいのか?過去に優秀発表賞を受賞した研究者がその秘訣を語り,フロアからの質疑応答も交えて,より良い研究を展開するためのヒントを提供します。また,優れた研究が優秀発表賞に選ばれるためには,発表賞選考システムが正しく機能することが不可欠です。発表賞のあるべき姿についても議論します。


第3部:認知心理学研究のための再現可能性のすゝめープレレジからデータ解析そしてオープンサイエンスまで
               司会:高橋康介(中京大学)
               企画:山田祐樹(九州大学),高橋康介(中京大学)
               連携:日本認知心理学会 心理学の信頼性研究部会

14:45-15:05 イントロダクション〜再現性問題について〜(高橋康介・中京大学)
15:05-15:30 其ノ壱 プレレジのすゝめ(佐々木恭志郎・早稲田大学/学振SPD)
15:30-16:30 其ノ弐 再現可能なデータ解析のすゝめ(高橋康介・中京大学)
16:30-16:40 休憩
16:40-17:30 其ノ参 オープンサイエンスのすゝめ(青木俊太郎・京都大学)
17:30-17:50 質疑応答

概要:
心理学の実験結果が再現できないという心理学における再現性の危機が叫ばれて久しい。認知研究は比較的再現性が高いと言われているが、まだまだ改善の余地はあるだろう。本セミナーでは再現性を高めるために有効な研究実践を紹介する。其ノ壱「プレレジ」では、講演者の体験談を交えながら,事前登録(および事前審査)の一連の手続きをデモンストレーションする。其ノ弐「データ解析」では、R/RStudioによる再現可能なデータ解析のチュートリアルを実習形式で行う。PsychoPyの実験データをRマークダウンに流し込み、下処理、図表作成、統計検定、レポート出力という作業を実際に体験する。其ノ参「オープンサイエンス」では、データと解析コードの公開・共有の取り組みについて解説する。主にヒト脳機能イメージング研究のデータとコードを対象とし、代表的な科学データ共有プラットフォームのfigshareにおけるデータの公開方法と、ソースコードホスティングサービスのGitHubを用いた解析コードの共有方法を、デモンストレーションを交えて紹介する。

☆参加者へ
ノートパソコンの持ち込みを推奨します。事前にセットアップが必要なソフトウェアなどはウェブサイト(http://kohske.github.io/research/201905CPS/)にてセミナー前日までに案内します。第2部では参考書として「再現可能性のすゝめ」(共立出版・https://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320112438)を用いますが、資料を用意しますので必ずしも持参する必要はありません。

17:50 閉会の辞