日本認知心理学会公開シンポジウム「偽・誤情報に挑む認知心理学-陰謀論・疑似科学・フェイクニュースを信じるのはなぜか?」のご報告
日本認知心理学会では,2026年9月19日(土)に,公開シンポジウム「偽・誤情報に挑む認知心理学-陰謀論・疑似科学・フェイクニュースを信じるのはなぜか?」をZoomウェビナーにてオンライン開催した。
シンポジウムでは4名が講演を行った。まず眞嶋 良全氏(北星学園大学)は「陰謀論・疑似科学・フェイクニュースの科学:なぜ信じるか・信じることの何が問題なのか」と題して,関連用語の整理から出発し,認知的傾向・社会的要因・科学的推論など信じることを支える要因を体系的に示し,全体像を俯瞰する話題提供を行った。続いて,中村紘子氏(東京電機大学)は「陰謀論・疑似科学を信じる心のしくみ:認知バイアスと思考スタイル」と題して,認知バイアスや思考スタイルとうい視点から陰謀論・疑似科学を信じるメカニズムについて解説した。田中優子氏(名古屋工業大学)は「届かない訂正:認知心理学から読み解く誤情報を信じ続けるメカニズム」と題し,ファクトチェックが届かない理由や,訂正情報を受け取っても信念が変わらない現象などについて話題提供を行った。最後に,犬塚美輪氏(東京学芸大学)は「『よく読む』だけでは足りない? 誤情報時代の読解を考える」と題し,知識更新のプロセス,横読みや批判的無視といった非吟味系の読解方略を紹介し,“誤情報に負けない読み方”について提案した。
当日は日本認知心理学会の会員だけでなく,一般の方々にも多数ご参加いただき合計203名の参加を得た。パネルディスカッションでは活発な質疑応答が行われ,講演者の議論を踏まえ,参加者が偽・誤情報情報との向き合い方や自身の認知の特徴を見つめ直す機会となった。本シンポジウムが,偽・誤情報をめぐる問題に関する認知心理学の知見を社会に広く共有し,今後の研究・教育・実践に向けた議論の一助になったものと考えている。






