第3回日本認知心理学会優秀発表賞

第3回 日本認知心理学会優秀発表賞

 日本認知心理学会優秀発表賞規定にもとづき、選考委員会において審議を重ねた結果、推薦発表総数30件の中から、以下の3件の発表に、規定に定められた評価部門の優秀発表賞を授与することに決定いたしました。受賞者には、来年開催される第4回大会の総会にて、優秀発表賞を授与いたします。会員の皆様におかれましては、今後とも日本認知心理学会大会におきまして積極的に数多くの良い研究発表をなされるようお願いいたします。

2005年 9月 1日
日本認知心理学会優秀発表賞選考委員会委員長
太田 信夫

新規性評価部門
受賞者(所属):
鈴木美穂・行場次朗(東北大学文学研究科/日本学術振興会・東北大学文学研究科)
発 表 題 目:
「視覚-触覚モダリティ間における単純接触効果の検討」
選 考 理 由:
視覚-触覚情報の異種モダリティ間の単純接触効果という新規性、独創性の高いテーマを、独自に開発した手法で、十分な参加者を用いて実験をおこない、心理物理的なデータに基づいて論理的に議論を展開している。とくに、視覚-触覚間のクロスモーダルな単純接触効果による好意度上昇に非対称性があることを示したことは、感性情報処理に関する今後の研究に重要な示唆を与えるものと考える。ポスターによるプレゼンテーションの仕方も工夫されており、明快でわかりやすかった。

 

社会的貢献度評価部門
受賞者(所属):
熊田孝恒・北島宗雄・小木元・赤松幹之・山崎博(産業技術総合研究所・産業技術総合研究所・産業技術総合研究所・産業技術総合研究所・JR東日本研究開発センター)
発 表 題 目:
「ユーザビリティ評価のための高齢者の注意・遂行機能評価テストの作成」
選 考 理 由:
当該発表は、高齢者の実際の機器操作・行動場面での注意機能と遂行機能を測定・評価するためのテストを作成したものである。具体的には、既存の神経心理学的検査や注意・認知機能に関する研究をもとに簡便な評価テストを作成し、158名の高齢者に対して実施し、注意・認知機能の加齢に伴う低下の多様性・個人差を見いだすとともに、実際の駅での行動場面でテストの妥当性を概ね検証したものである。今後には、発表者の述べているようにさらに妥当性、信頼性、有効性、汎用性の検討が必要であるが、クリアで手堅いテストとして社会的貢献可能性が高く評価されるものである。

 

発表力評価部門
受賞者(所属):
榊美知子(東京大学大学院教育学研究科/日本学術振興会)
発 表 題 目:
「感情が自伝的記憶の想起に及ぼす影響―自己知識の構造に注目した検討―」
選 考 理 由:
本発表では、自伝的記憶を想起する場合に認められる気分一致効果と気分不一致効果の発現に自己知識構造が寄与することが実験的に明らかにされた。従来、想起者がいずれの効果を示すかは想起者の気分緩和動機に依存すると考えられてきた。これに対し、本発表では、気分を誘導した刺激に関連する項目を想起する場合には気分一致効果が、無関連の項目を想起する場合には気分不一致効果が生じやすいことが明らかにされた。本発表では、意欲的な研究が紹介されただけではなく、充実した発表資料を用いて研究経過が明快に論じられており、参加者の理解を促進するための工夫を凝らした優れた発表として評価できる。
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