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2006年11月23日
 ■ 日本認知科学会公開シンポジウム「なぜ鏡の中では左右が反対に見えるのか?」

一般公開 (入場無料・参加自由)
協賛 日本認知心理学会

期日   平成18年11月23日(木・祝日)
時間   午後1時 ~ 4時30分
場所   東京大学 安田講堂
      (地図  http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_00_01_j.html

討論者  小亀淳    (東京大学名誉教授)    (原子核物理学)
      多幡達夫   (大阪府立大学名誉教授) (放射線物理学)
      高野陽太郎 (東京大学教授)       (認知心理学)

  「鏡の中では、上下は反対に見えないのに、左右が反対に見えるのは何故か?」
  これが「鏡像問題」です。光学的には、鏡は上下も左右も反転しません。にもか かわらず、「左右が反対に見える」のは何故か、という問題です。
  この問題は、プラトン以来、二千数百年に渡って議論がなされてきたにもかかわ らず、未だに定説がありません。学術雑誌でこの問題の解答を提案した物理学者2名 と心理学者1名が、それぞれの解答を説明します。さらに、互いの解答に対する質問 と批判を述べ、各々がそれに回答します。こうした討論を通じて、鏡像問題の解決を 目指すのが、このシンポジウムの目的です。
  討論者だけではなく、認知科学会の会員、一般参加者も質疑応答・討論に参加す ることができます。

日本認知科学会 http://www.jcss.gr.jp/symposium/2006.html

投稿時間 : 01:36 個別ページ表示

2006年11月05日
 ■ 国際記憶円卓会議2006

今年度の科研の企画研究を受けて目撃記憶研究に関する国際記憶円卓会議2006を企画しました。

1日目(11/5)は、日本心理学会の第70回大会と共催で大会最終日にシンポジウムを開きます。2日目(11/6)は、翌日に同じ福岡国際会議場で招待者の講演を行い、東京に会場を移して3日目(11/8)は、慶応大学三田キャンパスでシンポジウムを予定しています。

講演のテーマなどはまだ未定ですが、日程と招待者がほぼ決まりましたので、みなさまのご予定に入れておいていただきたく、早めにご案内差し上げました。詳しくはウェブページをご覧下さい。
http://zenkoji.shinshu-u.ac.jp/mori/irom2006/index.html

参加は無料です。

この情報の転送も歓迎します。

投稿時間 : 18:33 個別ページ表示

2006年11月03日
 ■ 日本心理学会第70回大会ワークショップ「言語の処理過程に関する計算論的アプローチの動向」

下記ワークショップが開催されますのでお知らせいたします.
皆様のご参加をお待ちしております.よろしくお願いいたします.

開催場所につきましては,日本心理学会第70回大会のプログラムをご参照ください.
  http://db1.wdc-jp.com/jpa/conf2006/

日本心理学会第70回大会 第1日・11月3日(金)18:00-20:00
WS039「言語の処理過程に関する計算論的アプローチの動向」
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「カテゴリー特異性の意味記憶障害の計算論的モデル」
    浅川伸一(東京女子大学)
内容:このプレゼンテーションでは,意味記憶の体制化,カテゴリー特異性に基づく知識の構造化に関する話題を提供したい.カテゴリー特異的な意味記憶障害の特徴を説明するための仮説は現在までに3つ提案されている.すなわち,(a)モダリティー特異性仮説,(b)カテゴリー特異性仮説,(c)体制化単元内容仮説である.このうちWarringtonら(1987,1988)によるモダリティー特異性に基づく意味記憶の体制化仮説(a)だけでは説明が難しいと考えられる.従って,この仮説をインプリメントしたFarah & McClelland(1991) のニューラルネットワークシミュレーションも見直さなければならない.本プレゼンテーションでは以上のような状況を整理し,自己組織化アルゴリズムを用いてある程度解決の糸口になりそうな方法を考えてみたい.
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「認知神経心理学における言語研究の動向」
    伊集院睦雄(東京都老人総合研究所)
内容:近年,認知神経心理学では,音読や動詞の活用といった言語機能がどのようなメカニズムに支えられているのかを解明する研究が盛んに行われている.これらquasi-regularな性質を持つ言語の諸側面は,従来,規則と規則と辞書という2つのシステムを想定することで説明されてきたが,コネクショニスト・アプローチでは,この2つのシステムを想定することなく,1つのシステムで説明しようとする.発表では,一見,規則と辞書の両システムが二重乖離しているように見える症状(例.表層失読と音韻失読)に対し,コネクショニスト・アプローチがどのような説明を与えるのかを解説する.
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「語意学習バイアスの計算論的モデル化」
    大森隆司(玉川学園学術研究所)
内容:語意学習バイアスは幼児が新しい語に直面したときに速やかにその意味を推論して学習する,ある種の都合のよい偏った行動である.そのメカニズムとしてこれまで,その機能は先天的とする説明と経験に基づき獲得されるという説明があった.さらにその経験説の中でも,L.Smith達は一定数の語彙が得られた後に,例えば形に基づく名前と材質に基づく名前のように,それらの上位概念ができ,それが新奇後に対しても適用されると説明した.我々は経験説を取るが,一方で上位概念などなくとも学習バイアスは幼児期の経験する語彙の偏りと脳神経的なフラットな学習機構により発生すると考える.そのことを示すため我々は計算機シミュレーションを行い,これまで示されてきたいくつかの現象が階層性を想定しない競合的な学習機構によって現れてくることを示す.
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「文章理解における計算論的モデルの変遷とその役割」
    森島泰則(国際基督教大学)
内容:文章理解に関する認知心理学的研究の焦点の変遷を,活性化伝播やネットワーク構造といったコネクショニスト的モデル化とスキーマなどの記号論的モデル化との関連で概観し,計算論的アプローチが実証的研究に果たす役割と課題を議論する.計算論的理論の具体例として,KintschのConstruction-Integration Modelを中心に扱う.
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企画・司会 都築誉史(立教大学)

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