日本認知心理学会 公開シンポジウムのご報告
認知心理学がこれまで実証的に明らかにしてきた事実と、一般社会で信じられていることの間には大きな乖離が見られる場合があります。こうした常識による誤解を取り上げ、認知心理学の最先端の知見に基づいてそれを解きほぐしていきたいという考えから、日本学術会議の「社会のための心理学分科会」と共催で本年度の認知心理学会公開シンポジウムを開催しました。本シンポジウムは10月19日(土)に京都大学百周年時計台記念館国際交流ホールで行われ、認知心理学の基礎的領域から高次の認知機能までにわたって様々な問題が論じられました。シンポジウムは企画者である箱田副理事長、および行場理事長の挨拶から始まり、続いて以下の3件の講演を実施しました。
講演1.「認知心理学に関する市民の知識とニーズ:研究者とのギャップとその解消」楠見孝(京都大学教授)
講演2.「好きと嫌いの在処」山田祐樹(九州大学准教授)
講演3.「高次認知機能にも運動制御機能が重要」乾敏郎(日本学術会議連携会員、京都大学教授)
シンポジウムには、一般38名、京大以外の教員・学生28名、京大の教員・学生21名の計87名の参加がありました。フロアからの質問も活発で、参加者からの評価も高いものでした。
日本認知心理学会理事長 行場次朗