『認知科学』特集論文募集のお知らせ

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日本認知心理学会会員の皆様,

このたび,日本認知科学会の学会誌「認知科学」で下記の特集号を計画しております.
タイトルやテーマは「柔軟に」解釈していただいて結構ですので,ぜひたくさんのご投稿をお待ちしております.

ご質問などもご遠慮なく,下記のアドレスにお送りください!

       筑波大学 原田悦子

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『認知科学』特集論文募集のお知らせ

特集タイトル:車,運転あるいはモビリティをめぐる認知科学
http://www.jcss.gr.jp/news/jcss/entry-265.html

掲載予定巻号:第25巻3号(2018年9月発行)

担当編集者:
原田悦子(筑波大学),須藤智(静岡大学),篠原一光(大阪大学),新垣紀子(成城大学)

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●企画趣旨

 近年,データ科学,人工知能が大きく社会の注目を集め,普通の人の日常生活も含めて「変革をもたらす」技術として受け止められている.その主たる適用先の一つが,自動車やその展開としてのモビリティ,およびそれらをとりまく多様な技術である.

 自動車は,「普通の人」すなわち非専門家が日常的に利用する「高度で大型の」人工物であること,また大きな利便性と同時にリスクを有し,そのリスクが「その主たる利用者」以外,すなわち自動車と同じ空間にいる歩行者や他の乗り物(の乗り手)にも及ぶこと,自動車による交通網における変更は現代社会・産業におけるインフラとして多方面な大きな影響を与えうることなど,人および人の世界に対する直接的な大きな影響力をもっている.

 また,古くから「拡張した身体性」の典型例として車が挙げられるように,人が車なしでは持ち得なかった(高速移動や視覚的フローなど)「新しい世界観」をもたらす人工物の典型例としても代表的な存在であろう.一方で,少しでもその実際の認知的メカニズムを認知科学の俎上に載せようとしてみると,その複雑さはとても単純な実験室実験ではとらえきれない「迅速,多重化,複雑な意思決定」の総合体である.このように車やモビリティの周辺では,認知科学の視点からみても「興味深い,解くべき問題」の集積でもある.

 そこで,本特集では,こうした自動車やその展開としてのモビリティ技術をとりまく様々な状況とその認知過程に関する問題,またそこでの新たな変化が人・その認知過程に与える影響,そこに関連する文化・社会的要因は何か,などなど,認知科学研究者として,新しい自動車関連技術に対して,どのような問題にどのように対応をしていけばよいのか,議論の場を設けることを目的として,本誌の特集としたい.

●特集で扱う論文

本特集では,何らかの形で,車やモビリティ技術,その変化,その構成要素などに関与しているあらゆるテーマに関する認知科学の論文を広く募集します.

下記はその中の一例です:

  • 自動車の運転技能に関係するような,高度な認知的過程やその神経科学的メカニズム,そうした分析による認知科学全体への示唆など.
  • 自動車の技術革新,システム変化などから見えてくる,人と技術との関係性に関する研究
  • ICT技術やビッグデータ,データ科学を活用した「自動車とその利用」全体の変化,その影響に関する研究
  • 人との相互作用,あるいは人をシステムの一部として含むヒューマン―マシンシステムとして,自動車にかかわるヒューマン・インタフェース研究
  • 車を介した人-人の相互作用,人の行動を含む交通システムなどの研究
  • 超高齢社会における車と人の関係,社会の持続可能性を考慮すべき時代の人-社会と車の関係など,現代社会の問題を背景とした人-車-社会に関する研究
  • 認知科学的視点から考える,さらなる自動車技術,トランスポーテーション技術の可能性

●応募方法

 本特集では,事前エントリー方式で原稿を募集する.執筆を希望する場合は,事前エントリーをすませた上,期日までに論文原稿を送付する必要がある.

事前エントリー:2017年11月1日(水)までに,論文タイトル,論文種別(研究論文,展望論文,ショートノート),著者氏名・所属・連絡先(住所,電話番号,e-mailアドレス),1000字程度のアブストラクト,キーワード(5個程度)を電子メールにて提出する.件名は「認知科学25?3事前エントリー」とすること.

論文提出:事前エントリーを済ませた著者は,2018年1月10日(日)までに本論文を電子メールにて提出する.件名は「認知科学25?3投稿」とする.投稿する論文は,『認知科学』の投稿規定,執筆規程にしたがうものとする.

●提出先

 事前エントリー,論文提出ともに,以下のアドレスに提出するものとする.

  jcss2018auto[at]googlegroups.com

 なお,提出後数日以内に,受領確認のメールを著者に送付する.

●スケジュール

 おおむね下記のようなスケジュールを予定している.ただし,諸事情により変更の可能性がある.

2017年11月1日(水) 事前エントリー〆切

2018年1月10日(水) 論文投稿〆切

2018年2月28日(水) 査読結果の返送

2018年3月28日(水) 修正論文の提出〆切

2018年4月28日(土) 再査読結果の返送(採否決定を予定)

2018年5月30日(水) 完成稿提出の〆切

2018年9月 1日(土) 『認知科学』第25巻3号掲載

以上.

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このブログ記事について

このページは、officeが2017年8月 1日 13:51に書いたブログ記事です。

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