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第5回独創賞 受賞研究が決定

 第5回の受賞研究が決まりました。
 昨年から、日本認知科学会が独創賞に協賛してくださることになり、同会の会員にも候補研究の推薦をしていただけることになりました。
 今回は、日本認知心理学会および日本認知科学会の会員から推薦された複数の候補研究について、それぞれ3名以上の専門家に独創性の評価を依頼し、提出された報告書にもとづいて、独創賞選考委員会が慎重に選考を進めた結果、次の研究を受賞研究とすることに決まりました。

「空書研究」
(東京大学大学院教育学研究科 教授 佐々木正人)

 この研究は、「文字を思い出そうとするとき、(筆記用具を持たずに)指で文字を書いてみる」という書字行動に関する研究です。日常的にはよく観察される行動ですが、佐々木氏以前には、科学的な研究がなされたことはありませんでした。佐々木氏はこの行動を「空書」と名づけ、文字想起課題を考案して、さまざまな角度から分析をおこないました。その結果、空書が漢字の想起を助けること、空書が禁じられると想起が困難になること、日本人の場合、英単語の綴りを想起する際にも空書が観察され、それが想起を助けることなどが明らかになりました。また、比較文化的な研究から、日本人にかぎらず、漢字圏に属する他の国の人々も空書をおこなうこと、一方、アルファベット圏の人々は空書をおこなわないことなども明らかになりました。

 この研究は1980年代に発表されたものですが、この時期に、文字表象に運動成分が結びついていることを実証した画期的な研究であり、その後、認知における身体の役割に関する研究が盛んにおこなわれるきっかけの一つにもなりました。こうした点が高く評価されて、この空書研究が第5回の受賞研究に選ばれました。

 選考の対象となった論文は以下の3点でした。

1) 佐々木正人・渡辺章 (1983) 「空書」行動の出現と機能 ― 表象の運動感覚的な成分について.
   教育心理学研究, 31(4), 273-282.

2) 佐々木正人 (1984) 「空書」行動の発達 ― その出現年齢と機能の分化.
   教育心理学研究, 32(1), 34-43.

3) 佐々木正人・渡辺章 (1984) 「空書」行動の文化的起源 ― 漢字圏・非漢字圏との比較.
   教育心理学研究, 32(3), 182-190.

 第7回大会において授賞式が開催されます。会員の皆さまは是非ご参加くださるようお願いいたします。授賞式に続く記念講演では、受賞者の佐々木氏がこの研究について解説をしてくださることになっています。

独創賞選考委員会委員長 高野陽太郎

 
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