RARC心理プロジェクト第5回公開講演会
立教大学アミューズメント・リサーチセンター(RARC)心理プロジェクト(文部科学省オープン・リサーチ・センター整備事業:平成17年度~平成 21年度)の活動の一環といたしまして、公開研究会を以下の要領で開催いたしますのでご案内申し上げます。奮ってご参加いただけますようお願い申し上げます。
講演タイトル : 錯視と芸術
企画・司会 :長田 佳久 (立教大学現代心理学部教授、RARC心理プロジェクト代表)
講演者 :北岡 明佳 (立命館大学 教授)
指定討論者:一川 誠 (千葉大学 准教授)
要旨:
錯視とは視覚性の錯覚のことで、同じ長さのものが違う長さに見えたり、平行線が平行でなく見えたり、静止した図形が動いて見える現象の総称である。要するに、錯視は「よくできている視覚システムのちょっとした誤り」という感じなのであるが、どういうわけか芸術と関係がある。このことを最初に科学的に示した報告がNoguchi and Rentschler(1999)である。彼らは、いろいろな錯視の錯視量と美的選考を比較し、それらの間に正の相関を得た。筆者はその考え方の信奉者であり、錯視と美の関係は明らかであると考えている。その理由は単純明快にして必ずしも科学的ではないのだが、誰にでも観察可能なよい錯視図形を作成すると、決まって美しい図に仕上がるという筆者の経験的法則を根拠としている。また、同じ錯視図形でも、適切な着色の施された図形は美しい。色はモノクロよりも美しいから当然とも言えるが、いくつかの錯視では適切に色を付けると錯視量が増大する。さらに、「錯視があるところには美がある」というのが狭義のNoguchi-Rentschler説ということになるが、逆に「美があるところには錯視が隠れている」ということもある程度言えそうなのである。たとえば、春爛漫時には美しいソメイヨシノの花びらを単独で観察すると、意外と色味は少なくて白いのであるが、記憶色としてはピンク色をしている。これは明るい青空を背景とした時に生じる強い色対比の錯視効果によるものと考えることができ、ここでも錯視と美の密接な関係を推定することができる。ただ、なぜ、いわばできそこないの視覚現象であるはずの錯視が、人間にとって価値が高いとされる美というものと関係するのか、今後の検討が必要である。
Noguchi, K. and Rentschler, I. (1999) Comparison between geometrical illusion and aesthetic preference. Journal of Faculty of Engineering, Chiba University, 50, 29-33.
日時:2007年12月1日(土)13:30~15:30
会場:立教大学 新座キャンパス 6号館2F ロフト1
連絡先:
新座市北野1-2-26
立教大学現代心理学部 長田研究室
RARC心理プロジェクト 048-471-6984(担当: 増田、桐生)
メールアドレス:
桐生:kiryu@tvs.rikkyo.ne.jp
増田:mastomo@rikkyo.ne.jp
交通機関 :東武東上線志紀駅下車 徒歩5分
JR武蔵野線 新座駅徒歩10分
※それぞれの駅より、西武バスが出ています(所要時間5分)
スクールバス(無料) :志木駅発・新座駅発共に 13:10発
