日本認知心理学会
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独創賞
第4回独創賞

日本認知心理学会主催
日本認知科学会協賛

 第4回の独創賞は、「三囚人問題研究」に授与されました。
 会員から推薦された複数の応募研究の中から、選考委員会が2件の研究を候補研究として選定し、それぞれについて、3名ずつの専門家(評価委員)に独創性の評価を依頼しました。提出された評価報告にもとづいて、過去に候補研究となった2件の研究とあわせて、選考委員会で慎重に選考を進めた結果、今回は次の研究を受賞研究とすることに決まりました。

「三囚人問題研究」
(東京大学大学院教育学研究科 教授 市川伸一) 
(カリフォルニア工科大学生物学部 教授 下條信輔)

 この研究は、「三囚人問題」(別名 Monty Hall dilemma)を題材として、直観的な確率判断を検討した研究です。この問題には、直観的に妥当であるように見え、しかも、ベイズの定理に基づく規範解とも一致する解答があります。しかし、市川・下條両氏は、元の問題の初期確率を変えることによって、規範解と直観的な解答が一致しない問題を作り出し、直観的な判断が実は誤りであったことを示すことに成功しました。更に、新たな方法を考案して、その方法を使えば規範解を直観的に理解することも可能であることを示しました。

 この研究は、確率判断のプロセスを理解することに独自の貢献をした点で、独創賞に相応しい研究であると認定されました。なお、独創賞規約では、「受賞研究は、日本の研究者が日本の研究機関で行なった研究でなければならない」という主旨の規定があります。下條氏は、現在、米国の研究機関に所属していますが、この研究は日本の研究機関に所属していたときに行われたものであるため、受賞者としての資格を充分に満たしているものと判断されました。

 選考の対象となった論文は以下の3点でした。

  1)市川伸一 (1988). 「納得の道具」としての同型的図式表現.
    『数理科学』, 297, 34-39.

  2)Ichikawa, S. (1989). The role of isomorphic schematic representation in the comprehension of counterintuitive Bayesian problems.
    Journal of Mathematical Behavior, 8, 269-281.

  3)Shimojo, S., & Ichikawa, S. (1989). Intuitive reasoning about probability: Theoretical and experimental analyses of the “problem of three prisoners.”
    Cognition, 32, 1-24.

 日本認知心理学会第6回大会期間中の6月1日に、千葉大学けやき会館大ホールにおいて授賞式が開催され、受賞者の市川氏に日本認知心理学会の太田信夫理事長から賞状と記念品が贈呈されました。引き続いて、市川氏が「確からしさの数理と直観 ―『3囚人問題』とその周辺」と題する記念講演を行いました。当日、海外での仕事の関係で出席できなかった下條氏には、後日、賞状と記念品が郵送されました。

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